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そもそも「リスクアセスメント」って何をすればいいの?
正直に言うと、「また法改正か」と最初は思った。
でも今回ばかりは、塗装の仕事をしている人間にとってかなり直撃する内容だ。2026年4月1日から、労働安全衛生法にもとづくリスクアセスメントの対象物質が、従来の約674種から約2,900種へ一気に拡大された。
これがどういう意味かというと、今まで「うちは関係ない」と思っていた溶剤や塗料が、新たに管理・記録の義務対象になる可能性がある、ということ。塗装屋をやっている以上、他人事じゃない。
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そもそも「リスクアセスメント」って何をすればいいの?
リスクアセスメントとは、職場で使っている化学物質について「どんな危険性があるか」「作業者がどれくらいばく露しているか」を把握して、対策を講じるプロセスのこと。
具体的には以下のような流れになる。
1. 使っている薬剤のSDS(安全データシート)を確認する
塗料・シンナー・プライマー・洗浄剤など、現場で使っているものすべてが対象になりうる。今まで手元にSDSがなかった物は、メーカーや販売店に請求する必要がある。
2. その物質が新たに対象になっているか確認する
厚生労働省の公開リストで対象物質を確認できる。約2,200種以上が新たに追加されているので、使用品目が多い現場は要注意。
3. ばく露リスクを評価して対策をとる
換気設備は十分か、適切な保護具(有機ガスマスク・ニトリル手袋など)を使っているか、作業手順は適切かを見直す。
4. 結果を記録して保管する
実施したリスクアセスメントの内容と対策は記録として残す義務がある。監督署の調査が入ったときに「やってます」と証明できるものが必要。
塗装現場で特に気をつけるべきポイント
自分の現場でも改めて確認したが、スプレー塗装はとにかく飛散と吸入のリスクが高い作業だ。エアスプレーでミストが発生する環境では、有機溶剤の吸入ばく露が問題になりやすい。
チェックしておきたい項目:
– 有機ガス用防毒マスクの使用:有機溶剤の塗装事業者は全てあてはまる。必需品なので対策はしていると思う。
– 換気の確認:密閉空間での塗装作業は換気量が不十分になりやすい。局所排気か全体換気の強化を検討する。
– 皮膚への直接接触の防止:手袋なしでシンナーを触る習慣がある人は今すぐやめる。イソシアネート系の塗料は皮膚からも吸収される。(2液系の硬化剤やパテの硬化剤のスチレンなど)
– SDSの現場掲示:よく使う塗料のSDSは、わかりやすい場所に貼っておくと安心。
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「化学物質管理者」の選任も要チェック
今回の改正で、一定の条件を満たす事業場では「化学物質管理者」の選任が義務化されている。個人経営や小規模な工房でも、扱う化学物質の種類・量によっては対象になるケースがある。
選任義務があるかどうかは規模と業種によるが、鈑金塗装塗装関係はほぼ必要になる。そして今年の10月から「個人ばく露測定」の義務化がある。
内容: リスクアセスメントの結果、化学物質の濃度基準値を超えるおそれがある作業場では、**「作業者一人ひとりに測定器を装着して、実際の吸入量を測る(個人ばく露測定)」**ことが義務付けられます。
対策: 換気設備が不十分な環境で塗装を行っている場合、秋までに設備の改善や、より高性能な防毒マスクへの変更を検討しなければならない。
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まず今週やること
法改正の全体像を理解しようとすると、正直難しい。でも現場でできる第一歩はシンプルだ。
「今使っている塗料・シンナー・洗浄剤のSDSを全部そろえる」
これだけでいい。SDSがあれば、その物質がリスクアセスメント対象かどうかも調べられるし、万が一の際にも対応できる。うちでも今回の改正を機に、棚卸しをする感覚で使用薬剤リストを整理した。
法律は難しい言葉が多くて近寄りがたいが、要は「何を使っているかを把握して、危険を減らす手を打ちなさい」ということだ。それは塗装のプロとして、もともとやるべきことでもある。
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参考リンク
– [厚生労働省:化学物質による労働災害防止のための新たな規制](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html)
– [厚生労働省:塗装業者のみなさまへ(PDF)](https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei48/dl/anzeneisei48-08.pdf)
– [リスクアセスメント対象物質が約2,900種に拡大|主な変更点と取るべき4ステップ](https://www.archelis.com/tachishigoto-mikata/risk-assessment-substances-expansion-2900-2026/)
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*この記事はwheel-paint.com運営者が実際の塗装現場の視点でまとめた情報です。法令の詳細な解釈については、各都道府県の労働局や社会保険労務士にご相談ください。*